5階から転落して奇跡的に助かった猫のお話

2019.02.04.07:15

 5歳になるオスの日本猫がマンションの5階から転落し、瀕死の状態で運ばれてきました。1階の駐車場でうずくまっているところを発見したそうですが、寒い時期に発見まで数時間が経過していたため、来院時は体温の低下が著しく虚脱状態でした。呼吸は努力性で興奮させると今にも停止しそうな状態だったので、詳しい検査を避け直ちにICU装置に入れ、高濃度の酸素吸入と保温、安静に努めました。
 2時間後少し呼吸状態の改善が認められたため、胸部のX線検査と点滴のための静脈確保を行いました。検査の結果胸腔内出血及び気胸(胸腔内に空気が入ったため肺が膨らまない状態)、数本の肋骨骨折を起こしていることがわかったため、胸腔穿刺を行い約100ccの抜気(空気を抜くこと)を行い、24時間体制で酸素吸入と点滴を開始しました。飼い主様には院内で死亡する可能性の高いことを説明した上で、入院治療の承諾をいただきました。
 3日目から徐々に体温が上がり始め、酸素吸入下ではありますが強制給餌ができるくらい呼吸状態の改善が見られるようになりました。
 8日目、食欲は依然戻っていませんでしたが、呼吸状態にかなりの改善が認められたため、自宅で強制給餌を続けていただくということで一時退院としました。
 12日目 食欲は1/3まで回復。呼吸状態はほぼ正常に戻り胸部のX線検査においても胸腔内出血は吸収され、気胸も治癒していました。肋骨骨折は自然治癒を期待して経過観察としました。
 2019年1月25日の検診では、膝関節の半月板に損傷があり右後肢の跛行が認められましたが、もうすっかりやんちゃないつものクウちゃんに戻っていました。ただ動物は今回のことでは危険の学習をすることはないため、また同じことが起きる可能性のあることを説明しました。昔シェットランドシープドッグがビルの屋上で遊んでいて誤って転落しました。その時は奇跡的に助かりましたが、数ヶ月後に同じ事故を起こした時は即死だったという悲しい経験があるものですから。
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回復するのに10日を要した毛球症の猫

2019.01.21.17:34

 9歳になるオスのペルシャ猫が「急に食欲がなくなり、水を飲んでも吐いてしまう。」ということで来院しました。身体検査及び血液検査では特に異常は認められなかったため、「毛球症」と診断し、毛球症の予防薬、制吐剤、輸液を中心に治療を行いましたが、5日目になっても症状は改善されませんでした。
 異物による消化管閉塞を疑った場合は、通常はバリウム検査を行うのですが、症状の改善が認められないことと経過が長いことから、時間的な余裕がないと判断し、飼い主様の了解のもと、バリウム検査を行わずして試験開腹手術を行いました。
 ところが胃~十二指腸~空回腸~大腸を視診と触診で精査しましたが、異常は認められませんでした。その後も食欲はなく間欠的な嘔吐は続きました。ただ以前にも毛球症を起こした経歴があり、今回の原因としても毛球症以外には考えられなかったので、制吐剤や消化管の運動機能改善薬、輸液等と平行して流動食の頻回少量の強制給餌を毎日続けたところ、嘔吐は治まり初診時より10日目から元気食欲が出てきて事なきを得ました。
 毛球症はグルーミングした毛が胃内で毛球を形成し、それが小腸に流れることによって不完全腸閉塞の症状を引き起こします。日頃猫ではよく見かける疾患で、4~5日して大腸に達すると、何事もなかったかのように元気食欲が戻るケースがほとんどですが、今回は回復するのに10日を要し大変苦労した症例でした。

マメ ラキサトーン ヘアボールコントロール 

末期になるまで症状を呈さない肺腫瘍

2018.12.20.16:51

 元気食欲はあるが、3日前から呼吸の度にゼロゼロという音がするようになった。咳もたまに出るようになり風邪を引いたようだ。」ということで15歳になるメスのアメリカンショートヘアが来院しました。
 呼吸は努力性で、聴診で左右の肺域で呼吸性雑音及び捻発音が聴取されました。肺水腫を疑い胸部レントゲン検査を行ったところ、左右の肺野全域に大小さまざまな大きさのX線不透過性の腫瘤が確認され、肺腫瘍であることがわかりました。
 肺の腫瘍は末期になるまで咳一つせず、呼吸状態には異常を呈さないことが多く発見しにくい病気ですが、中等度の貧血と、元気で食べていてもどんどん痩せてきているという悪液質の状態から、おそらく一年くらい前から発症していたものと推測しました。
 そして飼い主様の希望により、インターフェロンと抗生剤の治療を始めましたが、あと1~2ヶ月の寿命であることをお伝えしました。
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必ず役立つ救急救命講習会

2018.10.15.21:57

 日頃動物の心臓や呼吸が止まった時には、直ちに行っている心肺蘇生ですが、突然目の前で人が倒れていて心肺停止をしている場合、率先して応急手当を行うことができるかどうか自問自答してみました。答えはNO。ちょっとその勇気も自信もないことに気づきました。
 そんな折、区の消防庁から救急救命処置の講習会のお誘いがあったので、いいチャンスだと思い出席してきました。

手順をまとめると
1.倒れている人を発見
2.周囲の人に119番通報およびAEDの搬送依頼
3.自分は胸骨圧迫法と人工呼吸による心肺蘇生をただちに実施
4.AEDが到着したら除細動(電気ショック)開始
5.救急隊が到着するまで心肺蘇生を続ける
こんな流れになります。

 救急車が到着するのに約8分。何もしなかった場合助かる確率は10%以下となります。居合わせた人が救命処置をした場合、2分以内に開始すれば50%近くの命が救われるとのことでした。
 人形を使って実際に心肺蘇生を行ったり、人形にAEDを装着して実際に除細動を行ったりと、本番さながらの実習であっという間の3時間でした。
 実際には遭遇したくありませんが、万一遭遇した場合にはこの講習会で学んだことが役に立つよう、率先して頑張りたいと思います。

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愛犬の熱中症にご注意を!

2018.08.31.12:47

 連日の猛暑で死者や病人が続出!熱中症に気をつけるよう勧告されていますが、皆様の愛犬の熱中症対策は万全ですか~?
 
 犬は人以上に高温多湿に弱く、人が暑いと感じない季節にも熱中症を起こすことがあります。真夏になるとどこのご家庭でもクーラーが入るので心配は少なくはなりますが、犬にとって快適な室温は、私達がちょっと寒いなって感じるくらいでちょうどいいようです。
 特に呼吸のしづらいフレンチブルドッグやパグなどの短頭種、高齢犬、肥満犬、心臓病を持つ犬の場合などは体温調節がうまくいきませんので注意が必要です。それから旅行やドライブなどの車での移動時には興奮しやすく熱中症を起こしやすいので注意が必要です。
 
 猫、ハムスター、ウサギ、モルモットは基本的に私達と同じ室温で問題ありません。セキセイインコはオーストラリア産なので暑さには強いはずですが、日本の高温多湿には耐えきれずに熱中症を起こすことがあります。環境温度が28~30℃になるように設定してあげてください。ただし直接風は当ててはいけません。


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小学校の先生を対象に講演を行ってきました

2018.06.20.17:57

 今日は区内小学校の教員を対象に「ウサギの特徴と適正な飼育法」について講演を行ってきました。いつもは小学校の児童を相手に、プリントを使ってのウサギの授業を行っていますが、今回は飼育担当の先生方を相手に講師を務めるという大役です。
 まずは勝手の分からないパワーポイントを使ってスライド作りから始めました。教科書を読むだけのつまらない授業にならないように、学校のウサギを見て回った時の体験談や面白そうな話題を盛り込んで、話の流れを組み立てました。そして椅子に座らせたぬいぐるみの犬を相手に、何度も何度もスピーチの練習をして会場に向かいました。
 緊張は少しあったものの滑り出しは順調で、途中汗でパソコンのポインターが動かなくなるトラブルくらいで無事終了!4年生相手の授業とは違って、タメ口も笑い声もなく会場は静まりかえっていましたが、滅多にないチャンス、ワンマンショーのつもりで楽しんできました。
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日頃は犬や猫の先生ですが、時折小学校の先生をやったりもします。

2018.05.30.19:03

 先日学校のウサギさんが適正に飼育されるように、区内の小学校へウサギの授業に行ってきました。
 今回の授業の対象は4年生全員の68名。5・6年生の飼育委員対象の時とは違って、無邪気でまだあどけなさが残っていて、タメ口が出たり、私のジョークに笑い声が聞こえたり、元気に質問が飛びかったりして、随分と私の緊張を和ませてくれました。教室での授業の後は全員で飼育舎に向かい、ウサギの抱き方のデモンストレーションと実習を行いました。そして飼育舎の周りにタンポポやハコベが生えているのを発見。「おやつにタンポポやハコベをあげると喜んで食べるかも」と教えてあげると、葉っぱをちぎってわいわいと楽しそうに食べさせていました。
 そんな姿を見ていると自分も子供の頃を思い出し、子供達って本当に動物が好きなのだなと歓心して帰って来ました。

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平成30年度愛犬の狂犬病集合注射

2018.04.20.16:54

 4月9日より区の狂犬病集合注射が始まりました。今年は例年より2週間も早い桜の開花となったため、花はすっかり散り落ちて若葉の下での行事となりました。うららかな春の陽気の中、普段話や挨拶をする機会がない区の職員の方々と一緒に仕事をするというのもなかなかいいものです。
 見知らぬ大勢の方を相手に仕事をしているところに、「あら先生?!ご苦労様~♪」と飼い主様に親しそうに声をかけられました。緊張が緩みホッとするひとときでした。

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モモちゃん さようなら  2018/3/28

2018.03.29.15:08

 2月28日にヨークシャテリアのモモちゃんがなくなりました。14歳と7ヶ月でした。今日はモモちゃんの月命日ということで、立派なお花を持ってご挨拶に来てくださいました。


 モモちゃんは生後2ヶ月の頃から15年間ずっと親しくおつき合いをさせていただきました。こと病気に関しては小さな湿疹を一つ見つけては飛んでいらっしゃるくらい心配性な飼い主様でしたが、「口を聞けない動物にとってはそれくらいでちょうどいいと思いますよ。」ってよくお話しをさせていただいたものでした。飼い主様からいっぱいの愛情を受けて大切に育てられたモモちゃんですが、けっしてわがままに甘やかされて育てられた訳ではありません。病院では看護師が押さえなくても一人で注射や耳掃除、点眼処置をやらせるくらい聞き分けが良く、一度も食事の好き嫌いで相談を受けたことがないことからも上手に躾けられたようです。


 大きな病気をしなかったモモちゃんも14歳を過ぎた頃から腎臓や心臓に衰えが見えてきましたが、まだ直ぐになくなるような状態ではありませんでした。当日も夜はいつも通りに食事を取りすやすやと眠っていました。ところが明け方に突然キューンキューンと締め付けられるような声を出したので、びっくりして抱きかかえたのですが、その時にはすでに息が途絶えていたそうです。

28日の朝飼い主様からご報告を受けて、私も突然のことに驚きました。犬では心筋梗塞は報告されていませんが、死に直結するような重篤な不整脈がいきなり発生し、突然死をしたものと推測しました。


 モモちゃんのことだからきっと心配性な飼い主様を気遣って、長い闘病生活で悲しませるより最期は心配をかけることなくこんな形でお別れすることを望んでいたのに違いありません。いつもいっぱいの愛情を受けて大切にされていたモモちゃん。幸せな一生だったね。ゆっくり休んでくださいね。
                                 さようなら。
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犬の子宮蓄膿症のお話

2018.03.08.12:16

子宮蓄膿症とは子宮内膜に感染を起こし子宮内部に膿がたまる病気で、不妊手術をしていない中年齢以降の雌犬に発生しやすい病気です。普段よく遭遇する病気ですが、発見が遅れると死亡率が高く、症状の出方によっては見落としがちなやっかいな病気です。

先日7歳になる雌のミニチュアピンシェルが「朝起きたら急に陰部が腫れ上がって真っ赤にただれている。」とのことで来院しました。飼い主様が訴えるように、陰部は3倍以上に腫脹し表面は糜爛していましたが、他に皮膚病変がまったくみられなかったことから、陰部を舐め回したことによる皮膚炎と推測しました。

元気食欲は旺盛とのことでしたが、不妊手術をしていない雌犬だったので腹部のエコー検査を行ったところ子宮蓄膿症を起こしていることがわかりました。夜中に排膿があり気になって舐めたのでしょう。皮膚病と思って来院された飼い主様には、病態の理解をしていただいた上で緊急手術を行いました。

陰部からおりものが出ているケースでは簡単に診断がつく病気ですが、嘔吐下痢の消化器症状を訴えて来院されるケースや、閉鎖型の子宮蓄膿症で陰部からまったく排膿していないケースでは悩まされることも多々あります。しかし「不妊手術をしていない雌犬が来た時はまず子宮蓄膿症を疑え!」これ私の持論ですが、このことを常に意識していると見落とすことはないと自負しています。

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プロフィール

院長 黒田佳之

Author:院長 黒田佳之
東京ラブリー動物病院のラブリー診療日誌へようこそ~♪

診療科目:犬/猫/小鳥/うさぎ/ハムスター/モルモット
診療時間:AM9:00~12:00 PM1:30~6:30(午後予約制)
休診日 :月曜日
☎03-3995-5351
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ペットホテル・ペット美容室も併設しています。
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