セキセイインコの疥癬症

2017.09.17.23:42

 今年5月頃から顔や足に皮膚炎ができてだんだんとひどくなってきたということで近所の幼稚園で飼われている2羽のセキセイインコが来院しました。

 眼周囲や嘴の付け根、足には白い小さなフジツボ様の塊が盛り上がり、痒そうに止まり木にこすりつけたり、突ついたりしていました。

 これはセキセイインコでよく見られるトリヒゼンダニによる疥癬症です。オーナーに説明するために病変部を掻爬して顕微鏡で見ていただきました。

 そして心配な事が園児に移らないかということと治るのかということです。鳥の疥癬症はインコからインコへの感染力は強いのですが、人や他の動物に感染することはありません。

 治療はイベルメクチンという薬を2週間間隔で2回、注射またはゾンデを使って直接のう内投与を行います。1ヶ月後の様子です。皮膚病変はかなり改善されてきました。

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猫の慢性腎臓病

2017.08.25.16:26

 血液をろ過して老廃物を尿として体外に排泄する臓器が腎臓です。その大切な機能が徐々に失われていく病気が慢性腎臓病で、10歳の猫の約40%がすでに罹患していてさらに高齢になるにしたがって発症率が高くなっていきます。

初期は多飲多尿という症状で現れますが、猫は元気食欲があり飼い主様は病気と気づかないことがほとんどです。血液検査でもBUN・クレアチニンなどの異常は認められません。唯一尿検査で持続性の低比重尿(臭いの少ない薄い尿)が認められます。

中期になると食欲の低下や毛並みの悪さ、削痩などが認められ、上記の低比重尿の他に血液検査でBUNやクレアチニンの上昇が認められるようになります。実際飼い主様が異常に気付いて来院され治療を始めるのはこの段階がほとんどで、この時点ではすでに左右腎臓の75%以上が障害を受けて機能をしていません。

そして障害を受けた腎組織は元には戻りませんので、残された腎組織をできるだけ温存して今の状態を維持していくことが治療の中心となります。そのために 1.脱水がひどい場合は定期的な輸液(点滴) 2.タンパク質やナトリウム、リンを抑えた食事療法3.尿毒素を吸着させるための活性炭の投与 4.腎血管を広げて血液の流れをよくするためにACE阻害剤の投与などが行われてきました。

最近この治療の中に画期的な新しい薬が登場いたしました。初めて腎機能低下の抑制効果が認められた猫用治療薬で、臨床的には残された腎組織を保護し食欲不振や体重減少を改善する効果が十分に期待ができるとされています。使用している飼い主様からは少し元気になったようだとか粒が小さくて飲ましやすいと好評です。

初期の段階でこの病気を見つけることができれば、投薬によりかなり長期に渡って慢性腎疾患をコントロールできるようになるのではないかと期待しています。

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この時期犬の熱中症にご注意!

2017.07.30.18:08

 先日深夜11時過ぎに「30分ほど前から犬が急にハアハアし始めて落ち着かなくなった。どうしたらいいですか。」との電話が入りました。
 犬は普段からよく診ているシーズーのハナちゃん15歳。心臓病はなく普段は元気でしたが肥満犬であることから熱中症を疑い、すぐにクーラーを入れ冷たいタオルで体を冷やすように指示をしました。
 1時間後、呼吸が楽になり興奮も治まったとの連絡があり、大事には至らなくて良かったのですが、この時期は爽やかな日も多くクーラーを使用していないご家庭が多いため、暑さに弱い犬は熱中症を起こしやすくなります。特にフレンチブルドッグ、パグ、シーズーなどの短頭種や高齢犬、肥満犬の場合は十分な注意が必要です。

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アニサキス症について

2017.05.20.07:52

   最近何かとよく話題になっている「アニサキス」。釣り人にとっては常識の寄生虫ですが、ここでもう一度勉強をし直してみました。
 
 アニサキスは海洋ほ乳類のクジラやイルカの胃腸内に寄生する回虫の幼虫のことです。
クジラやイルカの糞と共に排泄された回虫卵はオキアミというプランクトンに食べられます。そのオキアミの中で卵はふ化し第三期幼虫まで成長。
 そのオキアミを餌としてサバ、イカ、シャケ、イワシ、サンマなどの魚が捕食しますが、これら魚類の体内では成長できず、第三期幼虫のまま消化管を含む内臓内に寄生し、終宿主であるクジラやイルカに捕食されるのを待っています。クジラやイルカに捕食されて初めて成虫(回虫)になれるのです。
 不思議な自然界ですが、これを寄生虫の生活環と言います。大学時代寄生虫学ではこの生活環をよく覚えさせられました。
 
 ところでこのオキアミですが、アジやマダイの釣り餌としてよく使われますが、プランクトンだとは知りませんでした。今までずっとエビの仲間だと思い込んでいました(汗)
アニサキスの多くは魚介類の内臓部分に寄生していますが、不思議なことに魚が死んで時間が経つに連れて内臓部分から筋肉内へと移行します。この魚を人が生で食べることによりアニサキス症と言われる激痛を起こすことになります。人の胃内は強酸性のためアニサキスは苦しくなり時として胃壁に噛みついたり突き刺したりするという訳です。でもアニサキスは傷つくとすぐに死んでしまいますし、胃内でも数日しか生きられませんので、摂取したとしてもこういうことがなく無症状で終わっているケースがほとんどのようです。

 魚の中でも特にサバは傷みが早い上に寿司やしめさばで食べられる機会が多いため、アニサキス症の発生が多いのもうなずけますね。まとめると釣った魚はできるだけ早く内臓を取り除く、イカの刺身は縦にスリットを入れる、釣った魚の刺身は薄造りにする、刺身はよく噛んで食べる(笑)、4~5日以上冷凍した後に刺身にするなどの方法によりアニサキス症の予防はできそうです。
 
 では犬や猫でのアニサキス症はどうかというと、僕自身日々の診療で一度も経験したことがないし、報告を受けたこともありません。でも漁港内や釣り場近くの野良猫達の間では日常茶飯事に発生していることかも知れません。近い将来「猫の胃壁から内視鏡でアニサキスを○匹摘出!」なんていう論文を目にすることがあるかもですね。


アニサキスの生活環2  okiami.jpg 釣り餌のオキアミ 
サバ切り身に付着したアニサキス 

桜満開の下、今日から区の狂犬病集合注射が始まりました。

2017.04.21.11:39

 私は南田中団地の中を流れる石神井川沿いの長光寺橋公園に来ています。
 数日ぶりに天候が回復し、今日がきっと最後のお花見ということになるのでしょう。お昼近くになると、お弁当を広げて桜を楽しむ人達で賑わってきました。
 今日は休日を返上しての参加。うららかな春の陽気に誘われ、私も終了後川沿いを一人のんびりと歩いてきました。 2017/4/10


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自己免疫性溶血性貧血のお話

2017.03.19.19:35

 いろいろな原因により循環血液中の赤血球が減少した状態を貧血といいます。
その貧血は出血や溶血(体内で赤血球が壊される)による再生性貧血と赤血球が作られないために起こってくる非再生性(再生不良性)貧血とに分けられます。

 昨年暮れの12月27日、前日までとても元気だったのに朝から急にぐったりして何も食べないとのことで9歳の雄のトイプードルが来院しました。
体温は39.8℃まで上昇、可視粘膜の蒼白、血液検査では赤血球容積の減少24%(正常38%以上)と総ビリルビンの上昇1.3mg/dl(正常0.5以下)が認められました。さらに尿がオレンジ色とのことで尿検査をおこなったところ血色素尿を認めました。血色素尿とは血管内で赤血球が壊されたために起こってくる赤色尿のことで血尿とは異なります。
 以上の所見から溶血性貧血、特に自己免疫性溶血性貧血を疑い、ただちに高容量のステロイド療法を実施しました。3日目には赤血球容積が18%まで低下しましたが、以後溶血が止まり赤血球はどんどん再生されて、1月6日には赤血球容積は31%まで増加、それに伴い可視粘膜もピンク色に戻り元気食欲とも復活し今日に至っています。
 この病気は急性で死亡率の高い病気で、回復したとしても投薬を減量したり中止したりすると再発しやすいやっかいな病気です。治療を始めて3ヶ月になり貧血も改善され愛犬はいたって元気なのですが、今後は副作用による肝酵素の上昇を抑えるためにどのようにしてステロイド剤を減量していくかが大きな課題となりました。

自己免疫性溶血性貧血:自分の赤血球に対して作ってはいけない抗体を作ってしまい、赤血球を攻撃破壊して急性の重度の貧血を起こさせる自己免疫性の疾患のこと。


2016-12-31三谷PCアルバ310156

ビーちゃんへ

2017.02.20.11:50

 昨年の7月から癌と闘ってきたビーちゃんが先日息を引き取りました。14歳と8ヶ月でした。
 口腔内にできた腫瘍のため、だんだんと自力で食べることが困難になってきました。それでも飼い主様を悲しませないようにと、毎日元気にこぼしながらもたくさん食べて、一生懸命生きようと頑張ってきたビーちゃんでしたが、とうとう力尽き静かに息を引き取りました。
 ビーちゃん ゆっくりとお休みください。そしていつかまた生まれ変わって飼い主様の元に戻ってきてください。  さようなら


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1月31日のつぶやき

2017.02.01.12:00

つい先日新年が始まったと思ったら、お正月の厳かな余韻も感じられないまま早や一ヶ月が経ちました。
「今年もまたあっという間にクリスマスがやって来て、除夜の鐘を聞いて新年おめでとうって始るんだよね。そして一ヶ月が経ち、また同じことをボヤくんだよね。」


見事な椿に思わずパチリッ!


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新年おめでとうございます

2017.01.04.17:45

今日は仕事始めです。昨年は術後食事を食べてくれなくて苦労した小学校のウサギさんの不妊手術に始まり、全身けいれんを起こして瀕死の状態で運び込まれた猫と自己免疫性溶血性貧血で重度の貧血に陥ったトイプードルの治療で一年が終わりました。
今年はどんな動物との出会いが待っているのでしょう。
今年も自分ができる医療は惜しみなく提供し、目の前の動物と飼い主様を苦しみや不安から救ってあげられるよう頑張っていきたいと思っています。
本年もよろしくお願いします。

カレンダー残り僅かです!

2016.12.24.22:31

来年度も皆様のご要望にお応えして「レイチェル・ベイル」のアニマルフレンズを選びました。
動物の写真を切り抜いて額に入れて飾っていただいている方が大勢いらっしゃることを知り、大変嬉しく思っています。
毎年この時期ワクチンや治療でご来院された方にしかお渡しできないのが残念です。
「カレンダーください!」って言ってお気軽にお立ち寄りください。
お待ちしています。
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プロフィール

院長 黒田佳之

Author:院長 黒田佳之
東京ラブリー動物病院のラブリー診療日誌へようこそ~♪

診療科目:犬/猫/小鳥/うさぎ/ハムスター/モルモット
診療時間:AM9:00~12:00 PM1:30~6:30(午後予約制)
休診日 :月曜日
☎03-3995-5351
東京都練馬区下石神井1-18-18
ペットホテル・ペット美容室も併設しています。

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