猫の慢性腎臓病

2017.08.25.16:26

 血液をろ過して老廃物を尿として体外に排泄する臓器が腎臓です。その大切な機能が徐々に失われていく病気が慢性腎臓病で、10歳の猫の約40%がすでに罹患していてさらに高齢になるにしたがって発症率が高くなっていきます。

初期は多飲多尿という症状で現れますが、猫は元気食欲があり飼い主様は病気と気づかないことがほとんどです。血液検査でもBUN・クレアチニンなどの異常は認められません。唯一尿検査で持続性の低比重尿(臭いの少ない薄い尿)が認められます。

中期になると食欲の低下や毛並みの悪さ、削痩などが認められ、上記の低比重尿の他に血液検査でBUNやクレアチニンの上昇が認められるようになります。実際飼い主様が異常に気付いて来院され治療を始めるのはこの段階がほとんどで、この時点ではすでに左右腎臓の75%以上が障害を受けて機能をしていません。

そして障害を受けた腎組織は元には戻りませんので、残された腎組織をできるだけ温存して今の状態を維持していくことが治療の中心となります。そのために 1.脱水がひどい場合は定期的な輸液(点滴) 2.タンパク質やナトリウム、リンを抑えた食事療法3.尿毒素を吸着させるための活性炭の投与 4.腎血管を広げて血液の流れをよくするためにACE阻害剤の投与などが行われてきました。

最近この治療の中に画期的な新しい薬が登場いたしました。初めて腎機能低下の抑制効果が認められた猫用治療薬で、臨床的には残された腎組織を保護し食欲不振や体重減少を改善する効果が十分に期待ができるとされています。使用している飼い主様からは少し元気になったようだとか粒が小さくて飲ましやすいと好評です。

初期の段階でこの病気を見つけることができれば、投薬によりかなり長期に渡って慢性腎疾患をコントロールできるようになるのではないかと期待しています。

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院長 黒田佳之

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