5階から転落して奇跡的に助かった猫のお話

2019.02.24.07:15

 5歳になるオスの日本猫がマンションの5階から転落し、瀕死の状態で運ばれてきました。1階の駐車場でうずくまっているところを発見したそうですが、寒い時期に発見まで数時間が経過していたため、来院時は体温の低下が著しく虚脱状態でした。呼吸は努力性で興奮させると今にも停止しそうな状態だったので、詳しい検査を避け直ちにICU装置に入れ、高濃度の酸素吸入と保温、安静に努めました。
 2時間後少し呼吸状態の改善が認められたため、胸部のX線検査と点滴のための静脈確保を行いました。検査の結果胸腔内出血及び気胸(胸腔内に空気が入ったため肺が膨らまない状態)、数本の肋骨骨折を起こしていることがわかったため、胸腔穿刺を行い約100ccの抜気(空気を抜くこと)を行い、24時間体制で酸素吸入と点滴を開始しました。飼い主様には院内で死亡する可能性の高いことを説明した上で、入院治療の承諾をいただきました。
 3日目から徐々に体温が上がり始め、酸素吸入下ではありますが強制給餌ができるくらい呼吸状態の改善が見られるようになりました。
 8日目、食欲は依然戻っていませんでしたが、呼吸状態にかなりの改善が認められたため、自宅で強制給餌を続けていただくということで一時退院としました。
 12日目 食欲は1/3まで回復。呼吸状態はほぼ正常に戻り胸部のX線検査においても胸腔内出血は吸収され、気胸も治癒していました。肋骨骨折は自然治癒を期待して経過観察としました。
 2019年1月25日の検診では、膝関節の半月板に損傷があり右後肢の跛行が認められましたが、もうすっかりやんちゃないつものクウちゃんに戻っていました。ただ動物は今回のことでは危険の学習をすることはないため、また同じことが起きる可能性のあることを説明しました。昔シェットランドシープドッグがビルの屋上で遊んでいて誤って転落しました。その時は奇跡的に助かりましたが、数ヶ月後に同じ事故を起こした時は即死だったという悲しい経験があるものですから。
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院長 黒田佳之

Author:院長 黒田佳之
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